「イシス編集学校の編集術ワークショップに参加してきた~編集は楽しい~」

ISIS

まくら(はじめに)~伝説の編集者、松岡正剛~

千夜千冊というサイトをよく閲覧する。ここには、伝説の編集者と呼ばれる松岡正剛さんが執筆した本たちの書評がずらりと並んでいる。それが全てWEB上で、しかも無料で閲覧することができる。そのうえ、書かれている内容が、ネット上で活躍するブロガーと呼ばれている連中が書くものとは比べ物にならないぐらい濃厚だ。さすが、松岡正剛と読み終えるたびに尊敬してしまう。その書評が現在では1500夜以上にものぼり日々更新されているので、いまから一日一夜読んでいっても4、5年は楽しめるだろう。

記憶は曖昧だが、この松岡正剛という人をぼくが知ったきっかけは爆笑問題の番組だったと思う。風貌や話し方などをみていて只ならぬ凄さを感じ、ネットで詳しく調べているうちに、千夜千冊にたどりついた。

ちなみに、いままで3冊ほど松岡正剛さんの著作を読んでいる。


 

1冊目は「多読術」という本。これは5年ほど前、ぼくがまだ大学生の頃、やることがなく暇なうえに、友達もいなかったため、このままではダメになると思い、突如として1日1冊なにか本を読もうと思い立ち、BOOKOFFにて大量購入した際にたまたま含まれていたものである。このときは、こういう読み方もあるのかと思う程度でこれといって著者に興味を抱いたりはしなかった。


 

2冊目は「松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。」という本。これは、千夜千冊のサイトにはまり、「1486夜、随筆本が崩れる」を読んでいるときに「松丸本舗が閉店した」と書かれていた。そして、なんだそれはと気になり、ネットで調べていると、そのことについて書かれた本があるとのことで、AMAZONにて注文した。本の厚みはあるが、内容は写真など織り交ぜてあり非常に楽しく軽快に読み終えることができたと同時に、なぜ松丸本舗に行くことが出来なかったのかと後悔したのを思い出す。


 

そして、3冊目は、「知の編集術」という本。つい先日「イシス編集学校のワークショップ」に参加したのがきっかけで買ったものである。もちろん、ワークショップが面白かったということで買ったものだ。一気に読み終え編集の奥深さにより一層興味がわくこととなった。


 

今回は、3冊目を購入するに至った「イシス編集学校のワークショップ」に参加したことを書いていきたいと思う。

 

「イシス編集学校~NPOのための~ 情報発信に効く!編集術ワークショップ」に参加して

深夜、いつものように寝酒のための鬼殺しを飲みながら、くだらない情報しか流れてこないtwitterのタイムラインに目をやると、「イシス編集学校~NPOのための~ 情報発信に効く!編集術ワークショップ」があるというものを発見。千夜千冊を読んでいたので、まえから興味があり、酩酊していたということもあってか気づくと参加申し込みをしていた。

そして、当日会場のある豪徳寺へと向かった。いつものように道に迷いながらISIS(イシス)と書かれた建物を発見。参加者らしき人が出入りしているので、安心して中に入ると、ここは図書館なのかと思えるぐらい圧倒される本たちに出迎えられ、しばらく呆然としてしまった。受付をすませ、あまり窮屈にならなそうな場所に置かれた椅子に座り圧倒する本たちを眺めながら開始を待った。

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 ※会場の中の様子

「~レクチャー篇~」

まず初めに、主催者の山田泰久さん(日本財団CANPAN、日本ソーシャルブログ協会会長)というかたのお話で幕を開けた。内容は、NPOにとって個人の発信が大切であるとのことだったと思うが、圧倒される本たちの誘惑に負けてしまい、ボーっと眺めていたため正直なところあまり覚えていない。

続いて、イシス編集学校の吉村さんというかたから一部映像を交えながら「編集」についての考え方を聞く。映像では、様々な著名人が編集という言葉をもとに独自の見解を述べていき、より編集の奥深さに興味を抱くことが出来た。

 

「~ワークショップ篇~No1. ブックワーク・ショップ」

お二人のお話が終わるといよいよワークショップに入る。まず初めに、ブックワーク・ショップなるものを行った。それは、「この会場にある本たちの中から、5分以内に気になる1冊、それも自分に興味がない分野のものを選択し、後程6名からなるグル―プを作り、それを用いて自己紹介をする」というもの。

開始の合図とともに約40名程度の参加者が一斉に動き出す。ぼくは、人ごみから逃れるように近くにあった戦争の本たちがいるところで、気になる本を探した。そこで、目に留まったのが、「パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い」という本である。この本を手に取り、自分の席へと座り、自己紹介がはじまるまでざっと目を通していた。

そして、近くの人とグループになり自己紹介を始めた。ちなみにぼくは、おぼろげながらではあるがこんな感じで自己紹介をした。

「名前は、みずしままさゆきです。ぼくが選んだ本は、戦争の本が並んであるところで見つけた『パンとペン』という本です。その棚には日露戦争がなんだかだとか漢字のタイトルが多くあった中で、シンプルにカタカナで書かれた本に目がいきました。そんな単純な考えで出来ているのが、ぼくという存在です」

というようなものだったと思う。

 

「~ワークショップ篇~No2. 自己情報編集術」

続いて、自己編集術というワークショップに突入する。ここでは、編集学校の吉村さんの進行のもと、編集術の一部を紹介しながら進んでいく。

まずは、付箋が配られ、そこに“自分を構成しているもの(好きなものなど)”を5分以内に書き出し、白紙にペタペタと貼るという作業を行った。ぼくが書いたのは以下のとおりである。

・ラーメン・鬼殺し・ロンググッドバイ・映画・ランニング・サッカー(フットサル)・ゲーム・ゴジラ・寝ること・バス・鍋・コンビニ・アルゼンチン

それが終わると、“自分にとって足りないもの”を同様に行った。こちらは、ここに書くのが少し恥ずかしいが、以下に書いておこう。

・車・金・ペット・4Kで撮影できるカメラ・米・身長・体重・やる気・体力・語彙力・ハンガー・黒ペン・酒・笑い・涙・服

というような具合だ。

 

この作業をしていて、一度とまってしまうと、なかなか言葉が出てこないことがある。それは、情報を取捨選択する「フィルター」(ふるい)というものが働いているからなのだそうだ。また、それは、各々でクセのようなものがあり、人によって回答が違ってくるため、それを知っておくことで、情報収集が上手く出来るようになるらしい。

また、足りないものを考えることで、そこから新たなものを構築できるようになる可能性がるので、それらを考えるという「フィルター」を持っていることが重要なのだそうだ。

 

「~ワークショップ篇~No3. 情報発信のための創文編集術」

ここからはいよいよ実戦とでもいおうか。実際に、情報発信するためにはどのような文章構成をすればいいのかということを学んで行く。

そこで、重要になるのが「いじりみよ」という考え方である。それは、以下の5つの頭文字をとった言葉である。

1) 位置づけ・・・その物事や事件など、起こったことが何であったかということを示す。

2) 状況づけ・・・その物事や事件などの背景にある動向を示す。

3) 理由づけ・・・それが起こった原因やその理由を示す。

4) 見方づけ・・・その大局的な意味。「理由づけ」とは違う見方を示す。

5) 予測づけ・・・その物事や事件が今後どうなっていくかの予想。それが及ぼす影響。

 

これらの順を追って文章を創作して行くことで伝わりやすくかつ魅力的なものになるそうだ。

そして、それを踏まえて各々で文章を作る作業に入る。書く内容は、先ほどの「自己情報編集術」の際に付箋に書いた“自分を構成しているもの”の中で、一番伝えたい内容を書くようにとのことだった。また、文字数制限があり、SNS投稿を意識した150文字~200字以内、さらに5分以内にということで、ぼくは、低スペックな頭をフル回転させ、なんとか時間内に完成に至った。まずは、完成したぼくの文章をご覧いただきたい。

 

毎日コンビニで鬼殺し180mlを購入している。ある日、ロング鬼殺し270mlが売っていた。僕のために仕入れてくれたのだろう。最近、酔えないのでちょうどいい。それを2本買うことにしよう。だがそうなったらコンビニは超ロング鬼殺し500mlなるものを仕入れるのではないか。そしたら、それで酔えなくなり、超ロング鬼殺しを2本買うことになるはずだ。恐らくコンビニは僕をアルコール中毒にしたいのだろう。コンビニには、本物の鬼がいる。(198文字)

解説するほどの文章ではないが、「いじりみよ」に分けると、

1) い・・・毎日、鬼殺しを買っている

2) じ・・・ある日、ロング鬼殺しを買っていた

3) り・・・僕のために買ってくれた

4) み・・・ロング鬼殺しを2本買うことになりそうだ。

5) よ・・・ゆくゆくは、コンビニが超ロング鬼殺しを仕入れるようになり、やがて僕はアル中になるだろう。

 

という具合である。

これを最初に自己紹介したグループ内で発表するのだが、ワークショップのタイトル「NPOのための~ 情報発信に効く!!・・・・・」ということだけあってみなかしこまった内容の文章で、自分の書いたものを紹介するのにビクビクしながらであったが、笑顔で受け入れてくれた。

そして、安心しながらグループ内の発表を終え待っていると、イシス編集学校の吉村さんが話し出す。「それでは、何名かに前に出て発表してもらいましょう」吉村さんが気になった人を呼び、その人が発表する。内容は、先ほど書いたようにワークショップのタイトルだけあってか、真面目な内容ではあったが、「いじりみよ」を活用し分かりやすくまとめられていた。やはり呼ばれるだけのことはあるなと感心していた。さて、次はどんな人かと待っていたら僕の名前を上がった。心の中で「やっべぇ」と思いながら、登壇し「鬼殺し」の文章を読むことになった。

登壇すると、「なんだあいつ。ヘラヘラしやがって!!」というような鬼のような視線を感じたので、まずは警戒心を解こうと、「僕も一応NPOをお手伝いしてます」との紹介をしたのちに僕の創作した文章を読み始めた。そして、最後の「コンビニには、本物の鬼がいる。」というところを読み終えると、わずかばかりではあるが笑いが起き、あたりを見渡すと鬼はどこにもいなかった。

ここまでが、今回体験した話である。

 

 

編集はいろんなところに潜んでいて、それを生かすも殺すも編集の仕方次第。その編集は、意識して訓練すれば魅力的なものになりえる。その魅力、そして楽しみを教えてくれるのがイシス編集学校なのだろう。ぼくも入会してみたいのだが、野良犬のような素浪人生活をしているのでまとまったお金がない。だから、今回得た編集の概念を使い、博打で一山当てたいと思う。そしたら、入会しようとこの文章を書きながら固く決意した次第である。

 

 

最後に、イシス編集学校校長でもある松岡正剛著「知の編集術」から、編集についての言葉を引用しかっこよく締めくくりたい。

 

編集でいちばん大事なことは、さまざまな事実や事態や現象を別々に放っておかないで、それらの「あいだ」にひそむ関係を発見することにある。そしてこれらをじっくりつなげていくことにある。(p46,4行目「知の編集術」松岡正剛著 2000年 講談社現代新書

 

「編集」は、楽しい!!

おわり


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
みずしままさゆき を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

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