猫町倶楽部という読書会に参加してみて~SNSとかを考えてみた~

公開日: : 最終更新日:2015/03/08 社会, 自分との対談(日記) , , , , ,

dokusyo

まくら(はじめに)

 

読書会というものをご存じだろうか。ぼくもつい最近まで開催していたが、現在は、サイトリニューアルと称し、閉店状態である。(まぁ、読書の秋なので10月の終旬ぐらいには再開しようと思っているが・・・

読書会とは、まさにその名の通り読書をする会である。とはいうものの、その場で読むのではなく、事前に読んだものに対し自分なりの意見を述べ、参加者と共有することを目的とする会だ。

事前に読む本は、その会に参加する人が必ず読むようにと決められている課題本が設定されている場合もあれば、好きな本を持参して紹介するという2つのパターンがある。

そもそも、ぼくが読書会を開催するようになったきっかけは、とある読書会に参加したことがきっかけだ。

そこに参加したのが初めての読書会体験であった。そこでは、好きな本を持参し、その本についての内容を紹介し、質問などをするという形式であった。ちなみにそのとき「フォークソング史」といった本を持って行ったような気がする。ここでは、本のことを話しても、だれにも嫌な顔をされず、みな真剣に聞いてくれる場があるのだと知ることが出来た。ただ、真剣ゆえに、ちょっとしたギャグを言っても気づかれず、一切笑ってくれなかったのが辛かったが、そんなことはどうでもいいだろう。

本好きは、本を読むが本のことについて話す機会をなかなか与えられない。例えば、飲み会の席で好きな本の話をしても、そんな個人的な趣味には誰も聞く耳を持ってもらえないだろう。だから本好きは、読み終わったあと自分の中で思考を消化するしかない。

それが当たり前のように繰り返され、いつしか読むという行為だけで読書が終着してしまう。しかし、こういった読書会という場で、他人と思考を共有することで新たな終着点へと向かうことが出来る。それが、読書会の魅力である。

 

多くの人がそうだと思うが、自分が面白いと感じたものや好きになったもの、興味をもったものなどを誰かに伝え共感を得たくなる。それは、SNSとりわけFacebookやTwitterの投稿内容から考えれば自明なことではないだろうか。

例えば、Facebookのタイムラインは何かのニュースの“シェア”や“いいね”、何を食べた、どこへ行ったなどの個人的な趣味嗜好のもので溢れている。かつては、自分の中、もしくは近しい友達への共有で消化され終着させていたものが、SNSの登場により新たな終着点で消化されるようになった。その人間の誰かに教えたさ、共有したさをうまく利用して登場したのが、バイラルメディアだろう。

それらの広がりかたは、旧来の人から人への口コミがSNSの登場でネットからネットへの口コミに変わったにすぎないとみることもできるが、大きな違いとして、“いいね”“シェア”や“リツイート”の数によって広がり方の実感がわき、快感が得られるということだ。

このことを、自分教の啓蒙活動による己の幸福追求と勝手に呼んでいる。決して否定的な意味で言っているわけではない。おそらく、誰しもがそういった思いをもっていて、それを喚起させる仕組みがSNSには備わっているのだろう。だから、ぼく自身もついそれらを意識してし、気になってしまう。

 

それは、もはや体の一部と化していると言っていいのだろう。スマホは自分の肉体と一体化していずれ支配され義体化されたサイボーグの体になっていく。まるで、攻殻機動隊が描いた世界のように。

それはそれで、悪くない気がする。ある専門家は、何かを生み出すことで、人間は進化を遂げていると言っていた。例えば、より速く走るためには、身体をそれにそうよう進化させるのではなく、車や電車を発明することによりそれを成立させている。さらに進化するとは、そのように希求することにより生じることなので、SNSによる自分教の啓蒙活動は、自ら望んでいる行いといえるだろう。

マズローの欲求5段階説を考えると、SNSが爆発的に広がったことが頷ける。

 

生理的欲求→安全の欲求→所属と愛の欲求→承認(尊重)の欲求→自己実現の欲求

 

これが、SNSの普及により可能になった。しかしながら、絶えず欲求というものは、満たされたら新たな欲求を求めたくなるものであり、このSNSによる自分教の啓蒙活動が完結したさきにはどこへいきつくのだろう。

SNSは、あくまでも非リアルな触れ合いであるが故に、今度はリアル触れ合いに欲求を求めたくなるのではないだろうか。そんなことを踏まえて、そろそろ本題に入りたいと思う。

 

猫町倶楽部

 

読書会とググると検索ランキングのトップに出てくるのが、“猫町倶楽部”という読書会団体である。発足された経緯は以下の通りだ。

 

猫町倶楽部サイト、運営会社猫町株式会社についてより引用)

 

名古屋市で住宅リフォーム業を営む山本多津也が、周囲の読書やスキルアップに意欲的な友人4人に声をかけスタートした小規模な読書サークル。これが猫町倶楽部の前身となった『名古屋アウトプット勉強会』でした。

 

その後、SNS「mixi(ミクシィ)」上のコミュニティとして読書会の活動を続ける中で、次第に評判を呼び、多くの参加希望者がミクシィ上から集まるようになりました(現在もミクシィ上のコミュニティとして運営を続けています)。

 

日本の読書文化が長く衰退傾向にあるとされる中、主催者の山本がまったく予想もしなかった規模に会が拡大したこと。そして何より、「この読書会で人生が変わった」、「読書会を通してかけがえのない仲間に出会えた」といった会の参加者から寄せられる多くの声などから、このコミュニティの持ち得る社会的な意義を痛感した山本は、社会貢献企業としてより充実した体制でコミュニティ運営を推進していくため、猫町株式会社を設立しました。

 

猫町株式会社では、「アウトプット勉強会」や「文学サロン月曜会」といった猫町倶楽部の各種読書会を中心に、音楽やアートなどジャンルを横断し文化的価値の高いものを、商業的なランキングなどに左右されない形でコミュニティの活動の中で取り上げ、それらの価値を世の中に発信していきます。

 

そして日本における読書会文化、大人の集まるサロン文化の牽引役として、それらを培う豊かなフィールドとなる質の高いコミュニティを提供していけるよう、これからも活動を続けていきます。

そんな、読書愛から始まった、読書サークルが大きな広がりを生み現在に至っているわけである。それを、大きく促進させたと考えられるSNS「mixi」。このことについては後程書きたい。

 

ぼくが参加した猫町倶楽部

 

ぼくが、参加したのは、『視覚文化「超」講義』を課題本とした会である。この会には、ご著書である石岡良治さん、また巻末で一緒に対談をしている國分功一郎さんというかたが、ゲストで来ていた。参加者は総勢50名ほどで六本木のとあるビルを貸切り行われた。

ぼくは、開始時間ぎりぎりで向かったが六本木という不慣れな場所と生まれ持っての方向音痴から、少しばかり遅刻して到着。受付を済ませ中に入ると、主催者らしき人がしゃべっている。7名ほどのメンバーが集まって構成されたグループが何個かあり、受付で指示を受けた机の席に着いた。

しばらくして、主催者の説明が終わると、課題本のご著書のかたが挨拶をし、読書会がスタートした。

ぼくのついた席は、男性4名、女性2名というメンバー構成で、その中に、ファシリテーター呼ばれる、女性のかたが1名いた。このファシリテーターの進行により進む。

まずは、それぞれ自己紹介と本の中で気にいった章やフレーズなどを述べた。一通りそれが終わると、ファシリテーターから促されるような形で、それぞれ意見を述べたりして考えを共有する。このときに、参加者の意見に対して否定的な発言をしないようにとあらかじめ主催者から注意がされているため、終始和やかな形で進んでいった。

しばらくすると、ゲストで来られていた國分功一郎さんや石岡良治さんがぼくらの席にやってきて、参加者それぞれが質問に対して答えてくれる。このようにご著書(ゲスト)がいる場合は、各グループへ15分ほどではあるが、一緒になって参加してくれるので、かなりの充実度は得られるだろう。

そうこうしているうちに、読書会が終了する。終了後、今回は著者の方が来ていたので、1時間ほどの講演会がはじまる。読書会後の講演会なのでよりその本に対しての考えも深まり、より熱心に耳を傾けることが出来た。

その後は、場所を移動しての交流会という名の飲み会がはじまる。こちらは、参加希望者のみだが、多くの人が参加していた。そういえば、交流会の場所へと向かう道すがら、あの神の子、山本”KID”徳郁とすれ違い1人で大興奮したのが強く印象に残っている。

 

ここまでが、簡単ではあるが、ぼくが参加した猫町読書会の様子である。

 

参加してみて思ったこととか

 

読書会も大規模になれば客層も変わるのかと思っていたが、そこはやはり本好きが集まる場ということもあり、いまの流行りでいうヤンキー的なノリの人はいなかった。

また、主催者の人が最後のあいさつで言っていたのだが、参加者間の交流はいまでも「mixi」を通じて行っているようである。その「mixi」上で、情報交換をし、最終的には、読書会というリアルな場で集まりより濃密な関係を築いているということなのだろう。

飲み会のほうで、何度も参加している人が言っていたのだが、飲み会含めてが、猫町倶楽部の面白さだと。要するに読書会である程度お互いのことを知り、飲み会でより濃密に仲良くなるということだ。それは、全て本という共通の話題があることで成立しているのだろう。

猫町倶楽部のように、読書会で交流する→SNSで関係性を持続させ→リアルの読書会で交流する→そしてそのあとは、SNSで関係性の持続→リアルの読書会で交流・・・・・というものが、永続的な繋がりを生み大きな読書会へと発展していったのだろう。

 

おわり

 

次回は、人狼ゲームのような匿名ゲームの会に参加してきたという話をかこうかと。。。


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
みずしままさゆき を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

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