本目さよ(台東区議)「女性議員の私が、政治を目ざした理由」【No.8】(書き起こし済み)
本目さよ【台東区議民主党】(http://www.sayohomme.com/)
1982年3月10日 神奈川県横浜市生まれ
台東区谷中在住
魚座 O型お茶の水女子大学院卒業
研究テーマは「母親の育児ストレスと父親のサポートの関係」
子どもを育てるのが辛い社会を変えたいと考え、研究職を目指す。しかし、研究だけでは社会は変わらないと感じ、IT企業に就職する
。
入社から一貫して人事として、社員が働きやすい環境づくりにつとめる。
笑顔で暮らせる社会にするために、区政にチャレンジすることを決意。(本目さよブログより引用)
目次
- 政治へと向かった理由
- そして、政治の世界へ
- 子育てがしやすい社会に
- 投票率の低い若者へ
- セクハラ問題から考える女性議員の立場の弱さ
- 様々な問題
- 理想の未来へ向けて
政治へと向かった理由
みずしま「趣味で、議員の方のお話を聞くということを行っているんですが、今回は、私がお手伝いしている豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林さんから紹介して頂きこの場を設けました。台東区義の方で、年齢も若く、子育てのことに力を入れている方がいらっしゃるということでお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。」
本目さよ「はい、台東区議会議員をしております、本目さよと申します。よろしくお願いします」
みずしま「いつも、なぜ政治家になろうと思ったのかというきっかけをお聞きしているんですけどよろしいですか?」
本目さよ「はい。そもそも、政治というものが私の人生に表われたのは、性別とかそういったものに関わらず、やりたいことができる社会を作りたいと言っていたんですね。そしたら、それって出来るのは政治じゃないかと言われて、政治ってそういうことが出来るんだと思ったのが最初のきっかけですね」
みずしま「それを思ったきっかけっていうのは小さいときからですか?」
本目さよ「いえいえ、だいぶ大人になって、会社勤めをしていた27歳ぐらいの時ですかね」
みずしま「思っていたことがありそれが政治につながる。その思っていたこととは、具体的にはなんですか?」
本目さよ「もともとは、高校生のときから感じはじめた矛盾ですかね。そのとき通っていた制服が、セーラー服だったんですね。セーラー服って結構寒いんですよ」
みずしま「スカートとか?」
本目さよ「スカートもそうですけど、学ランだと下着きて、Yシャツ着て、セータ着て、とか着こめるじゃないですか。セーラー服って無理なんですよ。朝礼でコート脱がなきゃいけないときに、男子ずるいと・・・」
みずしま「たしかに」
本目さよ「女性は体冷やすな!!とか言われるのに、なんでだろう、と思ったのがきっかけですかね」
みずしま「そこから、女性の矛盾を追求しようという思いを持ち、大学へ進学した感じですかね?」
本目さよ「はい。それで、大学では心理学を学んで、卒論のテーマで、大学生の男の子や女の子が、自分の性を受け入れているかということを研究したんですね」
みずしま「それっていうのは、自分を受け入れている、つまり本当は男性になりたいのではないかということですか?」
本目さよ「性同一障害とかではなく、自分が、女性もしくは男性でよかったかということをインタビューやアンケートで聞きました」
みずしま「結果的にはどうでした?」
本目さよ「男性は、ほとんどが男性でよかったという答えでしたね。でも女性は、半分ぐらいが女性でよかったという結果で、残りはあまりそう思わないということでしたね」
みずしま「理由は?」
本目さよ「いろいろ、ありましたね。即物的なことでいうとレディースデイがあるということでしたね。そして、一番大きかったのが、子どもを埋めるということでした。さらに、それがプラスにもマイナスにも働いていているようで、子どもを埋める経験は女性にしかできないので、それがいいっていうのと、そんな大変なことをなんで、女性しかしなきゃいけんだとういうマイナスの面ですね。出産っていうこと自体は、物凄く女性の人生において大きくかかわってるんだなと実感しましたね」
みずしま「そうなんですね。それが大学生のころで、さらにそれを追求しようと大学院へと進学しましたよね。では、大学院の時はどのような研究を?」
本目さよ「出産後のことですね。出産してからの育児ストレスの問題などよく聞きますよね。じゃあ、そのストレスをどうやったら軽減できるのだろうと」
みずしま「ストレスの軽減ですか?」
本目さよ「はい、そこでは、お父さん、つまり旦那さんとの関係がポイントだということが分かりました」
みずしま「なるほど、お父さんがどうやって関わってくるかで、いろいろ変わってくる。それをもっと勉強しようというわけではなく、企業へ就職したのはなぜですか?」
本目さよ「もっと勉強しようと思いもあったのですが、子育てがつらいとか、そのようなことを変えるのは、研究でも長期的には変えられますが、それではちょっと遠回りだとかんじました。そこで、まずは社会に出てみて、会社で働きやすい環境を整えようと思いました。そうした中で、男性でも女性でも働きやすい会社を作っていきたいということで就職を決意しました」
みずしま「それを目標としてやっていて、会社では、ある程度実現できましたか?」
本目さよ「新しく若い会社だったので、人事制度の構築などに関わらせて頂いて、育児休暇などある程度整備されていましたが、まだ育休とった人もおらずその辺での不安がありましたね」
みずしま「じゃあ、その面ではまだまだだったということですが?」
本目さよ「いや、まだ新しい会社だったので、産んだ人もおらずっていうこともあり、果たしてどうなのだろうと。そうした中で、初めて産んだ人が出てきて、その人に“会社へ戻って来られません”と言われてしまったんですね」
みずしま「それは、会社の制度上ってことですか?」
本目さよ「会社の制度は整っていて育児休暇が3年とれたんですね。ですが、自治体での保育所に入れないからというふうに言われてしまったんです」
みずしま「なるほど。その問題が解決しないと難しんですね。それで歯がゆさというか?」
本目さよ「小さい会社だったので、一人の社員のために保育園は作れず、そうすると自治体から、環境から変えていかないと会社からでは難しいと痛感しました」
みずしま「会社の制度がいくら整っていたとしても、住んでいる地域で制度が整っていないとダメなんですね」
本目さよ「そうですね」
みずしま「そこで歯がゆさを感じて変えるには政治だと?」
本目さよ「はい。若い女性の議員が少ないが故に、保育所が足りないなどのことが伝わらず、それが原因なのではないかと」
みずしま「それで、いろいろと相談して、そういうことを変えたいなら、政治だと言われたんですね」
本目さよ「前々から、そのモヤモヤを抱えていて、政治じゃないかと言われて、なんとなく頭の片隅にいれてはいたんです。実際の問題に直面し、やっぱり政治ではないかと思いました」
みずしま「でも結構大変じゃないですか、政治に出るって、勇気がいるというか」
本目さよ「半年ぐらい悩んで、多摩市の議員のかたに相談したり、民主党がやっている民主党大学という講座に参加し、政治のこと学んだりしましたね」
そして、政治の世界へ
みずしま「一つお聞きしたいのが、女性の議員って数が少ないじゃないですか。なので、実際選挙に出てみて大変だったことだとか、嬉しかったことなど、女性ゆえの大変さはなにかありましたか?」
本目さよ「大変だったのは、選挙で自分から進んで自分のことを営業していかなくてはいけないというのがものすごく大変でしたね。駅でチラシというかレポートを配って、初めて配ったとき怒鳴られてしまって・・・・。民主党から出馬していたので、その時ちょうど、沖縄の問題があり、その件で怒鳴られてすごく怖くなりましたね」
みずしま「民主党っていうだけで、民主党すべての問題の責任を押し付けられたみたいな?」
本目さよ「そうですね」
みずしま「自分が変えたい政策よりも、選挙で、まずは勝たなくてはならず、営業能力みたいなものが必要なんですね。それが一つの苦労ということですかね」
本目さよ「はい」
みずしま「では、嬉しかったことは?」
本目さよ「そうですね。活動を進めているうちに、あなた頑張っているね、いいことだと思うから応援するよと言われたときは嬉しかったですね」
みずしま「なるほど」
本目さよ「レポートとか毎週配っていると『暑くて大変だね」なんて些細な声をかけて頂けただけでも、嬉しくなりますね。幸せの沸点がいままでよりだいぶ低くなった気はします。とても、嬉しいです」
みずしま「その声が、より政治を変えてやろうという思いを強くさせますよね」
本目さよ「そうですね。それに支えられて乗り切れるっていうのもあります」
みずしま「実際、私も議員になりたいっていう人がいたら、本目さんにアドバイス求めたらいいですかね?」
本目さよ「そうですね。本当は、私以外の人が政治家になり、子育ての問題などを解決してくれればと思っていたのですが、誰もいなかったので、まずは私が出て、その後、後進活動などできたらと思います」
みずしま「そういえば、当選した時の喜びってどうでした?」
本目さよ「たしか、開票が、深夜の2時ぐらいだったんで、ちょっと、眠くってて」
みずしま「そうなんですか?笑。じゃあ、開票速報をみながら、眠くなってみたいな」
本目さよ「はい。開票の終盤まで、『休んでていいよ』と言われていたんですね。それで、時間になり事務所に向かったのですが、眠かったっていうのが印象に残っています」
みずしま「いままでの全ての疲れもたまってて、さらにどっと疲れが襲ってきた感じですかね」
本目さよ「はい。そうですね」
みずしま「それで、これから政治の世界に入っていくわけですけど、やっぱり大変ですか?」
本目さよ「思ってた以上に大変ですね」
みずしま「以前、企業にお勤めされてたじゃないですか。それと比べても?」
本目さよ「全然違いますね。よくわからないところで大変さがあるというか、企業だと、利益のためっていうのが最後に繋がるじゃないですか。そうではなくて、観衆とか目に見えない束縛がありそれに左右されるので、そこが分からなくて」
みずしま「それを教えてくれる人もあまりいないんですか?」
本目さよ「先輩たちも、女性議員とどうやって接すればいいか分からないってところもあるみたいです」
みずしま「台東区の女性議員は4名でしたっけ?」
本目さよ「いいえ、6名です」
みずしま「何人中?」
本目さよ「32名中6名です」
みずしま「それだと、比率的には相当少ないですよね」
本目さよ「はい、それでも増えたほうなんです」
子育てがしやすい社会に
みずしま「そうなんですね。それで、政策的には具体的にはどんなことをしていますか?」
本目さよ「前から取り組んでいた、子育てや出産などの問題により力を入れて取り組んでいます。そこを、行政としてしっかり下支えしていかなきゃいけないかと思いますね」
みずしま「やっぱり、そういう問題だと、まだ、本目さん結婚なされていないじゃないですか。さっきの経歴を知らないと、『なんでだ』みたいに言われたりしますよね?」
本目さよ「言われますね。でも、これから結婚もしたいし子どもも欲しいと思った時に、『いまの世の中、不安で産めません』と、だから、安心して産むために制度を整えなくてはいけない、だから私が取り組まなきゃいけないと思います」
みずしま「たしかにそうですよね。産んでからじゃなにも出来ないですしね」
本目さよ「そうなんです。でも、すぐに変えられるかっていってもそうでもないんですけどね」
みずしま「では、具体的に、現在どんなことに力をいれてますか?」
本目さよ「来年度から、政府の子ども子育ての新制度というものが始まります。その国の制度に合わせて、区のほうでもいろいろと制度を変えなくてはいけないのですね。なので、必死で行政の側(区役所)でも頑張っていると思います。ですが、それが、適切に変わるかどうか、法の趣旨は社会全体で子どもを育てていきましょうということなので、それに対して、どこがそれに沿った対応するかなど、きちんとチェックをするため必死に勉強しております」
みずしま「じゃあ、これから変わり始めていくということなんですね。それが、きちんと変わるかをチェックしていくということなんですね」
本目さよ「そうですね」
みずしま「先ほどから出ている、子育ての問題は、保育所の不足とかなんですか?」
本目さよ「それもそうですけど、やっぱり息抜きが出来ないということも大きいと思います。マンションの密室で子どもと2人きりで育てしていたら、閉鎖的なので、話も言葉も通じずイライラしてしまうということがあります。働いているよりも、専業主婦のほうが、お母さんの育児ストレスが高いという研究結果もでていますからね。そこのサポートをしていきたいですね」
みずしま「それって、地域のコミュニティ不足ということからですかね」
本目さよ「昔だと三世代同居などあったと思うんですけど、いまは核家族化が進んで、ちょっと預けて、ちょっと買い物とかも難しい社会ですよね」
みずしま「ちょっと預けてって、たしかにできないですね」
本目さよ「身近に頼れる親戚がいるわけでもないですしね」
みずしま「じゃあ、改善するとしたらどうしたらいいですかね」
本目さよ「たぶん、2つの方向があって、まず1つは行政として、例えば保育園の定員の1部にちょっと預けたいという枠を設けたりする。あともう1つは近所で預けられるという仕組みをサポートすることです。いまも、ファミリーサポート事業というのがあります。近所の方で、『預けてもいいよ、預けたい』というそれぞれの人をマッチングして助けるという仕組みなんですね。預かってもいいよっていう人が少ないので、そこを増やしたり。それ以外にも一般の預かりの仕組みなどの利用促進だと思います」
みずしま「それは、区政レベルでどんどんやっていくという感じですかね」
本目さよ「それもありますし、それ以外にも一般の企業で、社会的企業というジャンルで、そういった仕組みをネット上でやっているところもありますね」
みずしま「なるほど。あと、待機児童の問題とかも大きいですよね?」
本目さよ「はい。働きたい人も増えてきていますし、都心はなぜか、就学前児童の人口が増加しているんですね。なので、それに合わせてきちんとキャパを用意できていない状況なんです」
みずしま「そうなると、女性が働きづらくなってしまうという?」
本目さよ「働きたいけど働けない。さらに、働かなければ生きていけないのに働けないという状況が生まれています」
みずしま「大きな矛盾ですね。ということは企業がいくら制度を整えてもという問題につながっていきますよね」
本目さよ「はい。ただ、今回の子ども子育て新制度のほうでは、事業所内保育所も作ってもらって、一部を地域住民に開放してもらうという取り組みも考えています」
みずしま「なるほど。では、将来的にはどうなるのが理想ですかね?」
本目さよ「そうですね。理想論でいえば、いつでも誰でも安心して預けることも出来るという環境、そして、働きたいときに働く。今だと、週3のパートで働きたいという人は中々、保育所に入れない状態なんです。でも、そうやって働きたいっていう人も当たり前だし、それを叶える状況を作っていきたいと思っています」
みずしま「現状で悩んでいるお母さんは、どういったところに相談すればいいですかね」
本目さよ「悩んでいるとは?」
みずしま「子育てのこと、働きたいけど働けないとかですね」
本目さよ「男女共同参画センターというのが台東区にありまして、そこの“なんでも生き方相談”というところがあります」
みずしま「結構いると思うんですよね。制度を知らずに損している、つまり苦労している人とか」
本目さよ「あと、来年から子育てコンシェルジュという週3で働きたいという人に対してアドバイスしてくれる専門家が役所に常勤するようになる予定です」
みずしま「平日は毎日?」
本目さよ「そうですね。そうなると思います」
みずしま「そこで、気軽に相談できるならいいですね」
本目さよ「それから、子育て子ども家庭支援センターというのが台東区内に3つあるんですけどそこのセンターでも相談を受け付けていますね」
みずしま「なるほど。そこもあるんですね」
本目さよ「はい。それから、私でよければ、相談に乗りますよ」
投票率の低い若者へ
みずしま「ちょっと、いままでの話から離れると思いますが、若い人たちの投票率の低さ、子育てをこれから行う世代の人たち、その投票率の少なさが、そういった施設や政策が出来づらいという状況を生むと思うんですが、その人たちにどうやって関心を抱いてもらえばいいですかね」
本目さよ「難しい問題ですよね。私自身も懸念しています。私が選挙に出るとき子育て支援しますと言って選挙に出るのはリスクが高かったんですね。それは、投票率が若い人は低いので、やはり、高齢者の問題に取り組みますと言ったほうが、人口も多いですし投票率も高いので、そちらにターゲットを絞ったほうが当選しやすいはずなんですよね。もちろん高齢者施策も大切ですが、私はそうではなく、子育て支援をやりたいというのを明確に打ち出し出馬しました」
みずしま「なるほど」
本目さよ「やっぱり、子育てって当事者にならないと分からない部分もあるんですよね。なので、子どもを産んだら、生まれたら、周りの状況、政治に多少関心が出てくるとは思います。なので、そのときには必ず、行ってほしいなと思います」
みずしま「1つの方法として、いまひらめいたのですが、子育てをしている大変な人が、若い子育てをしていない人と、なにか交流できる仕組みがあればと」
本目さよ「そういえば、友人の会社でワークライフインターンという取り組みを行っていますね。子育て家庭にインターンするという仕組です」
みずしま「面白いですね」
本目さよ「働いている親御さんなので、仕事の話も聞けるし、子育てにも関われるというような両立をしているところを、実際に見ることが出来て、体験出来るんです」
みずしま「なるほど」
本目さよ「そういった、事業が広がって行くことで子育てが身近になるのではと思っています」
みずしま「それで、いまの働きづらいという現状を知ってもらって、それを改善するためには、投票しないと変わらないということが伝わればいいですね」
本目さよ「そうですね。それから、憧れの職業で議員、政治家とかって入らないじゃないですか。だから、それが少しでもかっこいい、素敵と思われるように改善していかなければと思っています」
みずしま「たしかにそうですね。じゃあ、どうすればいいですかね?」
本目さよ「これから、取り組もうと思っていることがあって、若い女性、男性議員の人たちは、報道だと悪い一面が取り扱われてしまうことが多く、そうではなく、しっかり頑張っているんだということを発信して行きたいと思っています。政策とかだけではなく人柄とかにもフォーカス出来ればと」
みずしま「たしかにそういうものって、みえづらいっていうのはありますよね」
本目さよ「身近に議員の知り合いがいないと、胡散臭いっていうイメージを持たれてしまいますよね」
みずしま「変なレッテルを張られてしまいますよね」
本目さよ「私の友達は、私のことを胡散臭いと思っていないはずなので、そういったように、知り合いになってもらうのも1つの方法ですよね」
セクハラ問題から考える女性議員の立場の弱さ
みずしま「やはり女性議員の立場って弱いですかね。いまだとセクハラ発言とかもあったじゃないですか。まぁ、軽い挨拶的なノリで言ってしまうんですかね?」
本目さよ「ちょっと、昔ながらの感覚で、『本目ちゃん、いつも可愛いね』みたいに、日常的な挨拶で、言ってしまうのかなぁと。いまの、一般社会や企業だとセクハラだと思われてしまうことが多々ありますね」
みずしま「本目さんのブログにも書かれていたんですが、企業だと相談する場所がある、しかし、議員だとそういった場所がないと」
本目さよ「実際、私が、それを受けたらどこに相談しようと悩むかと思います。もちろん友人には相談しますが、それ以外に公式的な場所というのが思いつかないですね」
みずしま「なるほど。そういったことを上手く解決していかないと女性で議員になりたいという人は増えないですよね」
本目さよ「そうですね。逆に女性議員が増えたら、そういったことも減ると思います」
みずしま「少ないが故にというのはありますよね」
本目さよ「多くなれば、『それってセクハラですよ』っていう声も増え、気づいてくれると思います」
みずしま「そういった、セクハラ的なことを言ってしまう人たちにも、子育て問題なりを分かってもらいたいですもんね」
本目さよ「そういう方たちも、悪気はないと思います。昔ながらの考え、親しみを込めた表現だと思うんです。しかし、いまの時代ではセクハラになってしまうということをきちんと認識してもらいたいです」
みずしま「そうですよね」
様々な問題
みずしま「それから、子育て問題以外に、力を入れて取り組んでいることはありますか?」
本目さよ「いまは、保健福祉委員会に所属しているので、国民健康保険、医療費の問題、高齢者障碍者福祉、そういったこともまんべんなく勉強しています。障害をお持ちのかたの親御さん達の会合にも参加し、生の声を聴くことですごく勉強になります」
みずしま「じゃあ、いままで知らなかった問題が出てきて、より変えなくてはいけないという思いが強くなっているかんじですか?」
本目さよ「そうですね。それを行政がどのように、どういう風にするのかということを考えていかなきゃいけないですね」
みずしま「やはり、問題は山積みなんですね。そう考えると、区議になられて驚いたことは、知らなかった問題がたくさんあったということもありますか?」
本目さよ「知らなかった問題とともに、それを解決すればいいってことだけでもないという驚きがありました。保育園の問題もそうですけど、認可保育所を必要なだけ作ればいいっていう声もあるんですが・・・・」
みずしま「それだけじゃだめなんですか?」
本目さよ「それだと、お金がいくらあっても足りないですよね。お金は税金ですから、税収も減っていますし、そうすると限られたお金の中でどのように予算配分するかを、きちんと考えなければいけないです」
みずしま「どこにどのように使うかということですね」
本目さよ「はい。認可保育園を作ってしまうと、恐らく20年後には少子化が進んでいるので、いらなくなってしまう所もあるはずなんです。なので、それって本当にするべきことなのかということをきちんと考えなければいけないんですよ」
みずしま「単純じゃないんですね。ないから建てろということではダメなんですね」
本目さよ「私も、もちろん建てろと言いたいのですが、でも区の財政のことや、全部総合的に考えたら、ここで認可保育所ではなく、ミニ保育所のようなものがいいのではと提案する。そうすることで、それをいっぱい作っても、いらなくなったらマンションの一室とかに利用できるようになる。あらゆることを考えて行っていかなければと考えています」
みずしま「そういう、ジレンマはありますよね。例えば区民の方は、私もそうですけど、なくて困ってんだから、建てろ、作れという考えになりがちですけど、それだけではだめなんですね」
本目さよ「そうですね。そこから全体をみて考えないといけないですね」
みずしま「なぜなら予算は、税金ですからね」
本目さよ「はい」
みずしま「そういったことを議会などでの発言で変えていくと」
本目さよ「行政がやることをチェックしていいと思ったら提案してという形ですね」
みずしま「なるほど。実際、区民のかたでちょっとした悩みなんかは、本目さんだとかほかの区議のかたに相談すればいいですかね?」
本目さよ「そうですね。ちょっとしたことを聞くことで、いろんな困っていることが私の中に溜まっていき、それが一段上の段階として、行政としてどうすべきか、ということで施策に反映し、どうしたら解決できるか、育児ストレスだったら、一時保育で預けられるところを作ったらいいのではないかと、預かりあいが出来る仕組みを作ったらいいのではないかと、一段上げてきちんと提案しないといけないと思います」
みずしま「そういった、区民の方の意見を聞く場として活動している、本茶会っていうのがありますよね」
本目さよ「はい、区政報告会っていうので、よく区議の方は一年に一回とか大々的にやると思うんですけど、『本目さよとお茶を飲みながら、区政のこと、町のことを話す』略して本茶会というものをやってます。小さい規模で、双方向でお話ができればということで、年に4回定例会があり、その後に開催したり、あとは2人以上のかたからよんで頂ければお伺いして開催しています」
みずしま「なるほど。その中で、趣味の話とかで盛り上がったりもしますかね」
本目さよ「趣味の話を、ということはあまりないですが、和気あいあいとした雰囲気ですね」
みずしま「そうなんですね。ところで、趣味ってなんかあります?」
本目さよ「議員になる前は、空手をやってますと言ってたんですが、ちょっとなかなか忙しくて通えてないですね」
みずしま「そうなんですね」
本目さよ「まぁ、図書館で本を借りてきて読書とかそういうことになりますかね。後、着付け教室に通っていて、せっかくこんな、台東区という浅草、上野という歴史と伝統があるところにいるので、和服とか自分で着たいという思いがあり、区が行っている着付け教室に行っています」
みずしま「それは、いいですね」
本目さよ「そして、かろうじて着られるようになりました」
理想の未来へ向けて
みずしま「では、最後にお聞きしたいのですが、本目さんが思い描く理想の未来っていうのはなんでしょうか?」
本目さよ「子育てに関していえば、子どもを産むということが辛いということをなくしたいと思っています。もちろん辛いこともあるかもしれませんが、みんなが産んでよかったと思える社会を作っていきたいと思います。もっと、大きくいえば、子育てだけではなく、誰かが何かをやりたいと思った時に、男だから、女だからというのではなく、やりたいことが出来るような社会になればと」
みずしま「そして、女性の議員が増えるといいですよね」
本目さよ「はい。女性の議員が増えないと行政も中々、変わらないと思いますし、そもそも住民代表である議会に、なぜ女性が少ないのか。住民は半々なのに、12%しか台東区はいないというのが、まぁ男性だから、女性の声を反映できないわけではないのですが・・・」
みずしま「でも、より反映できるのは女性だと思います」
本目さよ「そうですね。どうしても、世代、性別が違うと、分かりづらいところもあるかと思うので、そういったことは当事者のほうが反映しやすいと思います」
みずしま「是非、今後女性のかたが選挙に出られたらそういうことも考えて、投票して頂ければいいですね」
本目さよ「そうですね。いろんな人にチャレンジして頂ければと思います」
みずしま「告知とかなにかありますか?」
本目さよ「今後、女性議員であったり、若手の議員が、これだけ活躍しているというところを皆様にお伝えするようなメディアだったりそういった場、若者と若手の議員をつなぐ場を作っていきたいと思っています。今後も私のブログ、フェイスブック、ツイッターなどのSNSでチェックしていて下さい」
みずしま「きょうは、ありがとうございました」
終わり
No.8対談文字数(10953字)
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みずしままさゆき を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
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