立川明日香(元市議・思想家)「私が政治家としてやりたかったこと」【No.2】(書き起こし済み)

公開日: : 最終更新日:2014/11/23 ---立川明日香 , , , , , ,

tachikawasankakiokosi

 

 

対談動画の第2弾です。
今回は、元市議の立川明日香さんにお話を伺いました。
立川明日香ブログ http://ameblo.jp/tachikawaasuka/

撮影・編集・企画 みずしままさゆき 
協力 堤亮輔
収録場所 スタジオナカノバ http://nakanoba.com/
大まかな流れ。
・何故、立川明日香さんにインタビューを行ったか。
・経歴について。
・里親制度について。
・子育てをしながらの市議としての活動は大変だった・・・・。
・草の根活動を広げていこう。
・若者に関心を抱かせるために。
・離婚しておしまいの環境は、子どもにはつらい。
・地域でつながる子育てを。
・負の連鎖を断ち切り、正の連鎖を生もう。

 

以下、全文書き起こしたものです。(2013年4月頃にお話したもの)

 

養護施設で生まれたという経験をもとに

 

みずしま「話したい人と連絡を取って対談するということを趣味で行っているのですが、今回は、新座市の元市議の立川明日香さんにお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします」

 

立川明日香「よろしくお願いします」

 

みずしま「立川さんにお話をお聞きしたかったのは、経歴が大変興味深く、思いきって連絡を取ったら快くお引き受けしてくれて、ありがとうございます」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「じゃあ、その経歴をざっくり紹介いたします。3~18歳まで養護施設で育ち、2003年短期大学、2005年海外留学、2008年に結婚、出産、2011年市議になられたんですけど、2012年の2月19日に当選、しかし、3ヵ月以上移住実態がないということで、残念ながら辞任せざる得ない状況になってしまったということですね。まず、初めにお聞きしたいのが、市議になられたきっかけです。このBUBUKAっていう雑誌にも載っているのですが、アメリカは人種に関係なく養子がいるというのを知ったんですね。やはり、養護施設(3~18歳)にいたというきっかけが大きかったですかね?」

 

立川明日香「そうですね。19歳のときにアメリカへ留学したんですけど、学校生活を送っている中で、周囲に、普通に養子の子がいて、また、先生の親戚の中などにも養子が溶け込んでいというオープンな環境を目の当たりにしたことで、自分は養護施設の体制を変えなきゃいけないと決めましたね。まぁ、そのときは政治家になるときめたわけではないですけどね」

 

みずしま「日本では、養子というのは考えにくいですかね?」

 

立川明日香「みずしまさんは、どう思います?」

 

みずしま「周りにもいないですし、考えにくいのではと・・・・・」

 

立川明日香「ですよね。いたとしても秘密にされ、言いにくい状況ですよね」

 

みずしま「偏見の目でもみられますよね」

 

立川明日香「かわいそうとか、そういう感じになりますよね。でも全然そういうわけじゃないんですよ」

 

みずしま「アメリカでは、そういったことはオープンで、家族の一員として受け入れられているんですかね?」

 

立川明日香「はい。保護者のいない子どもたちは、昔でいう孤児院に入り、一人の大人と親密な関係を築きながら育つという重要性がアメリカでは認知されていて養子というのも受け入れられています。留学や私の養護施設での経験から、日本ではそうではないと実感しました」

 

みずしま「里親制度というものを今後、広めていく活動をしていきたいということですね」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「もちろん市議になった際にもそれを軸にという思いはあったわけですよね」

 

立川明日香「はい、もちろん」

 

みずしま「でも、3ヵ以上居住実態がないということを叩かれて、残念ながら・・・・」

 

立川明日香「はい・・・・」

 

みずしま「まぁ、嫌がらせ的なこともあったんですかね?」

 

立川明日香「そうですね。まだ、市議をやめて3ヵ月ぐらいで、さらに只今裁判中ということもあり、まだ喋りづらい部分もあるわけですけど・・・」

 

みずしま「なるほど。でも、市議だったらこんなことも出来たのにというような思いもあったわけで?」

 

 

市議としてやりたかったこと

 

立川明日香「そうですね、当選して、やりたいことが次々に決まっていた中、自分の任期中はと思って頑張っていたんですけどね。もし、いまやっていたとしたら、もちろん養護施設のことや、子育ての活動、そして原発反対の活動を続けていていたと思います」

 

みずしま「議員になるきっかけとして、3.11の東日本大震災も大きいですかね?」

 

立川明日香「そうですね。留学の時に、子どもを育てる環境を変えなくてはいけないと思いながら結婚して、子どもが産まれて3.11を迎えたんですけど、原発の騒ぎなどで、小さい子供がいる私は、不安にかられていました。そうした中で、政治家が国民のことを助けてくれるオペレーションをしていなかったと感じました。私は自分でなんとか情報をとっていて、こんな政治はよくないと思い、一人の母親、若者代表として、政治家になろうと決意しましたね」

 

みずしま「では、そのとき政治に不満をもって政治家になろうと決意したんですね」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「立川さんは子供がいらっしゃいますよね、選挙のときとか大変じゃなかったですか?」

 

立川明日香「はい、凄く大変でした。活動した後に子育てもしなくてはですし。まず、子育ては、ご飯あげること、寝かせること、お風呂に入れるというのをしっかり毎日行わなくてはですからね」

 

みずしま「相当きつい生活だったんですね。あと、選挙に出た時に美人すぎるということをある種キャッチコピーとしていましたよね。ですが、なにが、美人すぎる議員だっていうやっかみを持つ人もいるかと思うんですけどどうでした?」

 

立川明日香「そうですね。最初は何も考えていなかったんですけどね」

 

みずしま「美人すぎるってことで、言いたいことが、美人というフィルターがあることで言えなかったとかありましたか?」

 

立川明日香「そうですね。ありますね」

 

みずしま「気持ちとしては自分の思っていることがいえるということで参加したんですけど、マスコミ特有の扱われ方とかありましたか?」

 

立川明日香「はい。いろいろと未知との遭遇でしたね。マスコミのバッシングも凄くて、言いたいことも言えずに・・・・」

 

みずしま「普通の議員のかたよりも重荷がありそうで、相当大変だったんでしょうね」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「プライベート的なことも結構みられるということもありましたしね(居住実態の問題で)」

 

立川明日香「そうですね。分かったことは、政治家はプライベートがないなぁと。24時間政治家は政治家で、情報をオープンにしなくてはいけないですから。マスコミには公人なんだからちゃんと質問に答えなさいと言われたりして戸惑いました。素人だったのでただただ驚いて。ご存知ですかそういうことは?」

 

みずしま「いや、正直全然分からないですね。」

 

立川明日香「ですよね」

 

みずしま「まぁ、政治家=不満をぶつける相手と思っているふしはありますね」

 

立川明日香「プライベートや不平不満を聞かなきゃいけないので大変な仕事です」

 

 

新たな開拓に向けて

 

みずしま「雑誌によると、政治家を少しの間やっていて、政治家向きじゃないということにお気づきになられたと書かれていましたよね。それは、自分の言いたいことも言えず、派閥的なこともありますし。なので、政治家としてではなく、自分の活動を伝える一市民として自分の主張をしていくという方向ですかね」

 

立川明日香「はい。そっちのほうが会っていると思います。政治家として活動した時になんか自分の言っていることが合わなくて。自分は思想家なのかなぁと感じましたね」

 

みずしま「じゃあ、政治に挑戦したメリットしては、政治家としてではなく思想家として言いたいことを言うとういことが発見できたと考えたらメリットですよね。そんな中で、さきほども何度もお聞きした里親制度を軸とした活動がメインになっていくんでしょうか?」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「具体的なビジョンはあるんですか?」

 

立川明日香「そうですね。いまは勉強中なんですけど、私の一番の強みとしては児童養護施設で18年間育ったってことなんです。つまり、当事者ですよね。当事者としての意見をどんどん世間に発表して行くことで、世間の価値観を変えていきたいと思います」

 

みずしま「価値観を変えるという意味では、若者の価値観を変えるっていうのは大きいですかね」

 

立川明日香「はい、もちろん」

 

みずしま「若者の価値観を変える活動を何か具体的に行っているんですかね?」

 

立川明日香「はい。私の選挙のときも、政策として、若者の政治参加を掲げていて、唯一の20代候補者っていうのもありましたしね。今後も、自分の経験を生かして、若者に興味を持ってもらいたいと思い、いろいろと準備しています。実は、この前メルマガを始めたんですけど、その中の連載で、地盤、看板、鞄なしで若者が政治家になる方法というのをはじめて、第2弾を構想中です。6月15日(2013年)にセミナーを開催することが決定しています」

 

みずしま「やっぱり、若者に対して立川さんの思いや、ノウハウを伝えることでもっと政治に興味をもってもらう、つまり草の根活動ってことですかね」

 

立川明日香「そうですね。草の根活動っていうのが好きで、毎週、脱原発のデモにも参加したりしていましたしね。そういった地道な活動が何かを動かすと思っています」

 

みずしま「昔から、政治に対して興味ありました?」

 

立川明日香「いや、全くなかったですね。その時の政治に興味がないという感覚も知っているので、少し焦りも感じています。私の友達なんか一切興味ないですしね」

 

みずしま「政治家になられたときも、やってたんだっていう人もいた感じですかね(笑)」

 

立川明日香「はい(笑)。これじゃだめだと思いました」

 

みずしま「若者の投票率って少ないので、そのあたりを踏まえてどのように草の根活動をするかですよね」

 

立川明日香「そうですね」

 

みずしま「さらに、議員のかたも年配のかたも多いですしね」

 

立川明日香「海外の友達に、日本の政治の印象を聞くと、年配のかたや男性が多いっていう意見を聞きますね」

 

みずしま「あと、子育てをしながらとかも難しいですよね」

 

立川明日香「そうですね。子どもがいるから断念してしまうっていう人も多いのではないかと思います」

 

みずしま「あと、お金の面も考えられますよね」

 

立川明日香「世界でもトップクラスで供託金が高いですからね」

 

 

みずしま「そういったことを変えていかないとですよね」

 

立川明日香「はい」

 

みずしま「あと、政治に参加するための支援があるといいですよね」

 

立川明日香「そう思います」

 

みずしま「僕自身は、政治には全く興味はないんですけどね(笑)」

 

立川明日香「そうなんですか(笑)」

 

みずしま「政治ってつまらないじゃないですか?よく分からないですし」

 

立川明日香「みんな同じに見えますよね」

 

みずしま「今後、日本の政治は、どのようになっていきますかね」

 

立川明日香「そうですね。ちょっと未知ですね」

 

みずしま「参議院選も今後行われるので、どうなんでしょうね(2013年4月頃に行った対談なので)」

 

立川明日香「ほとんどの若者は興味ないでしょうね」

 

みずしま「ただ、その価値観を変えていかなくてはと僕自身感じているので、立川さんには是非頑張っていただきたいと思います」

 

立川明日香「ありがとうございます。私自身もこれから試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思っています」

 

 

悪い連鎖を断ち切り、いい連鎖を作る

 

みずしま「そうなんですね。あと、それ以外は普通の主婦として暮らしているわけですよね」

 

立川明日香「はい、そうですね」

 

みずしま「お子さんは何歳ぐらいですか?」

 

立川明日香「5歳ですね。いま保育園に通っていますよね」

 

みずしま「保育園といえば待機児童の問題とかあるじゃないですか、そのあたりはどのようにお考えですか?」

 

立川明日香「そうですね。核家族化深刻に進んでいる中だとそれがより顕著になりますね。子育ての人手不足が深刻です。お母さんと子どもだけの子育ては絶対に難しいです。24時間付きっきりはストレスが溜まりますし」

 

みずしま「立川さんは、離婚されていますよね。ですが、別れた旦那に子どもを会わせようとブログに書かれていて、それもやはり重要なんですかね。子どもを一人にさせないということでは・・・」

 

立川明日香「はい。別れて終わりになってしまう関係はやは、子どもにとってよくないです。子どもが大きくなってからしばらく会っていない父親とどう接していいか分からない状況を作りたくなかったので、積極的に合わせようと思っています。なので、そういったことを呼びかけたいですね」

 

みずしま「なるほど」

 

立川明日香「私が市議をしているときに、立川明日香を育て働かせる会というのを主催してくださる市民の方がいたんですね。それを2回ぐらい開いてくれて、その中で、「子どもに会えない父親の会」を行っている方がいて、別れた後に奥さんに会わせてもらえないつらさなどをお聞きして、そのように実感しました」

 

みずしま「やはり、子どもは、親に会えないと寂しいっていう思いが強いんですかね」

 

立川明日香「私も、施設にいたときにはその思いが強かったです。子どもがいかに愛情を欲しがっているか、その愛情を埋められないまま、社会に出た時に抱える問題というのが出てくると思います。そういった問題を持っている方は、私みたいなマイノリティの人でなくても、普通の家庭でもあると思います。親と上手く愛情を育めなかった人をどうにかしたいというのが子育て政策の私の核でしたね」

 

みずしま「政治に参加できる若者を育てるというのと、子育てをしている、お父さん、お母さんに対していろいろ有利になるような提案をしていくというのも一つですかね?」

 

立川明日香「“子育てをするお父さんお母さんの関係性のこと、“子どもに向けての教育環境を整えること”、“社会が子どもを育てるということ”この3本柱を支えないといけないと思います」

 

みずしま「これって、地域のつながりが大事になりますよね」

 

立川明日香「はい。なので、その地域の大切さに気付いて動いてる人と一緒に私も活動していきたいと思います」

 

みずしま「でも、立川さんの場合っていうのは特殊じゃないですか?お父さん、お母さんもいらっしゃらないので、選挙のときとか、ちょっと困ったときとかどうしてました?」

 

立川明日香「私の場合は、周りの友達などに助けてもらいましたね」

 

みずしま「それこそ、地域の人というかそういった人に協力してもらったんですね」

 

立川明日香「様々な問題により、実家に頼れないとかいう人も多いと思います。いま、親に対する社会の目って厳しいので、ますます周りに助けを求められずストレスがたまると思いますね」

 

みずしま「そういった、ストレスが虐待にもつながるわけですね」

 

立川明日香「まさに、そうですね」

みずしま「その悪い連鎖を断ち切るというのが重要になってくるんですかね?」

 

立川明日香「はい、まさにその連鎖を断ち切るというのが私の人生のテーマでもありますね。私の人生って第3者がみたら不幸じゃないですか。そういった環境で育った私が、今後幸せな環境を整えていくというのが目標でもあります。もちろんそれは、いますぐには証明できませんが長い間をかけてそうしたいと思います」

 

みずしま「負の連鎖を断ち切るというのもありますが、正しい連鎖っていうのもありますよね。地域の繋がりの連鎖、若者を政治に参加させるための連鎖、その連鎖がキーワードになるのではと、立川さんとお話していて感じました。悪い連鎖を断ち切り、いい連鎖を作っていくそれが大切ではないかと」

 

立川明日香「そうですね。そういう意識をもつ人が増えればいいですよね」

 

みずしま「それが、増えて困っている時に助けてくれるというのが、いろんなところで生まれればいいですよね」

 

立川明日香「本当に大切なことは、目にみえない感覚的なことだと思います。だからこそ、それらを共有する人の数が増えることが大切だと思います」

 

みずしま「今後は、そのような、いい連鎖を作っていかないとですね」

 

立川明日香「はい。ここで、一つの繋がりも生まれましたし(笑)」

 

みずしま「そうですね。ありがとうございます(笑)」

 

おわり

(6250字)


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
みずしままさゆき を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

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