井上温子(板橋区議無所属)「地域リビングを拠点にみんの繋がりを」【No.1】(書き起こし済み)
井上温子
(板橋区区議会議員・無所属)
NPO法人ドリームタウン代表理事
出身:青梅市 居住地・事務所:高島平
2003 年 都立北多摩高等学校卒 ( 関東駅伝出場、山岳縦走国体 7 位入賞 )
2008 年 大東文化大学環境創造学部卒(2005 年オーストラリアへ留学、
2006 年から高島平の地域活性化の活動に参加、
2007 年 中板橋のコミュニティカフェの立ち上げに関わる )
2008 年 同大同学部みらいネット高島平事務局として就職 ( 高島平団地 26-3 号棟のコミュニティカフェ運営等 )
2011 年 NPO 法人ドリームタウン設立代表理事 ( 社会起業勉強会から発展 )
2011 年 板橋区議会議員初当選、無所属 1 人会派で活動中。
2013 年 同 NPO にて、地域リビングを設立
(議員NAVIより引用)
政治へのきっかけ
みずしま「私が会いたい人と対談させてもらうということを行おうと思い、まずは、私が現在住んでいる板橋区にて、若くて、面白い取組みをしている人はいないかと探していたら、板橋区議の井上温子さんという方を知りました。そこで、連絡しこの機会を頂きました。よろしくお願いします」
井上温子「はい、よろしくお願いします」
みずしま「まずは、現在の活動をお聞きしたいのですが」
井上温子「はい。私は、現在高島平に住んでいて、NPO活動と区議会議員を行っています」
みずしま「政党には属していない、無所属ですよね?」
井上温子「はい。そうです」
みずしま「井上さんは、年齢も若いのに区議として活動されていて、是非お話をお聞きしたいと思いました。区議になられたのは、やはり政治に関心があったんですか?」
井上温子「あまり、政治には関心がなかったほうだと思いますね。26歳のときに選挙に出て初当選させて頂いたんですけど、『私はNPO活動で社会を変えるんだ』と張り切っていました。もともと、大学などの地域活動に関わっていて、その現場で行っている工夫や新しい発見をしてもなかなかそれを区政に届ける入口がないということを、やればやるほど痛感していました。なので、そういったことから政治というものに興味が出始めたんです」
みずしま「ちなみに、そうなる前、例えば学生のときとかって、テレビなどの政治番組を見たりとかもせず、全く興味がなかったということですかね?」
井上温子「そうですね。あえて見たりはしなかったですね」
みずしま「活動としてはNPO活動をやっていて、そこから政治の世界へと入って行ったんですね。NPOとは具体的にどんな活動ですか?」
井上温子「地域活動は21歳から始めていてんですね。それは大東文化大学と地域が一緒になって、町を活性化して行こうという取り組みだったんですよ。最初は、私自身が内モンゴル人の学生だったので、その学生同士の交流などをしていました。そして、大学の職員になり、コミュニティカフェの運営、学生のボランティアのコーディネートなどを行うようになりました。ですが、大学だけの取り組みだけではなく、もっと生活に根ざした取り組みを民間で行いたいということでNPO法人ドリームタウンを立ち上げました」
みずしま「間口を広げていくうちに政治というものにたどり着いたんですね。それで区議会議員になって活動がしやすくなりました?」
井上温子「NPO活動がやりやすくなっただとかというのはないんですが、議員になる前は、自分の中での熱い思いや気づいたことを発言する場所があまりありませんでした。同じ地域で活動していても、高齢の方には、若い私が言ってもあまり聞いてもらえず悔しい思いをしたこともありました。ですが、議員になったことでこんな面白いことが出来るんじゃないの、改善出来るんじゃないのということを届けられるようになりましたね」
みずしま「より届くようになったんですね。」
井上温子「はい。ただ、NPO活動は議員と分けて活動しているので、飛躍的にやりやすくなったというのはないですね」
みずしま「なるほど。ほかの方で、NPOで活動されている人もいるじゃないですか。そういった人にも議員を目指すということをお勧めしますか?」
井上温子「NPOの人は、政治と距離を置きたがる人が多いんですよね。それは、NPOで政治の活動また、特定の政党の支持をしてはいけないという法律になっていて、もちろんそこは守らなくてはいけないんですけどね。ですが、NPOで活動している人が区議会議員、議員になることで、議会がより多面的になると思うので、勧めたいと思っています」
みずしま「なるほど。井上さんが、NPOだとか社会活動に興味を持ち始めたのは大学のときですか?」
井上温子「大学3年の時ですね。そのとき、高島平団地を歩いて町を研究するということがあったんですよ。その当時は、私はヒールを履いて団地を歩いていたんですよね(笑)」
みずしま「(笑)面倒くさいみたいな?」
井上温子「なんで歩く意味があるんだろうと。とくに興味もなく。不思議だなぁと思いながら、一生懸命歩いてました」
みずしま「笑」
井上温子「無機質な団地なんですよ。その中に仲間とか友達とか知り合いが出来てくると、あそこにあの人住んでる、あっちであんな人も、道ですれ違うと凄く愛着が生まれるんですね。ただの団地なんですけど。そこでの人との繋がり、そして仲間が出来てから、地域にも愛着が生まれ、もっと新しい活動をしたいと思ってきました」
みずしま「もともとは、高島平の出身で」
井上温子「いいえ、青梅市ですよ。しかも、1,2年生の時は東松山で」
みずしま「じゃあ、そのときは普通の大学生だったんですよね?」
井上温子「そうですね。高校のときは陸上一筋で、体育会系で。ただ、ちょっとした挫折でやめてしまって、大学のときはなにに夢中になればいいかなと思い、とくにやりたいこともみつからず・・・」
みずしま「で、模索している中で、団地を歩くということから始まり、地域の繋がりをもち、活動をするようになったんですね」
井上温子「はい、そうですね。自分とは、世代や国籍そして考えの違う人と話すことで、すごく自分の中で刺激がありましたね」
その経験を政策へ
みずしま「やっぱり、いろんな人と会い話し合うというのがいいんですね。政策では、地域リビングというのを掲げているじゃないですか、そういったことがやはりきっかけなんですかね?」
井上温子「地域の交流拠点地域リビングを小学校区53か所に、そして生活圏内に1つずつ作ろうっていう政策なんですね。それは、自分がNPOなどの現場でやってきたことの経験を元に、政策として出しました」
みずしま「具体的にもう少し地域リビングについてお聞きしたいんですけど?」
井上温子「いまって、シングル化している人が多いですよね。たとえば高齢者の人も一人暮らしの人が増えて、家族も核家族化が進み、とくに東京はそうですよね。子育てでも孤立し、学生さんでも、田舎から東京に出て1人で住んでる人は多いんですよね。つまり、寂しい家庭が凄く多く、そうした中で、新しい暮らし方を提案する時期が来ているんじゃないかと思います。それで地域のリビング、共有できるリビングを作ろうと思いました。ただ、毎日一緒に活動していたら、ちょっと気持ち悪いじゃないですか。だから、軽い感じで、ご飯食べたいなぁってときに行って、子育てでも悩み抱えて困ったなぁというときに近くのおばぁちゃんだとかに、地域リビングでアドバイスもらう。そんなのが普通に出来るようにと思っています」
みずしま「誰でも気軽にというのがいいですよね」
井上温子「生きがいのある街づくりですね。子育て世代の居場所だとか高齢者や障害者のある方の支援でも、居場所というのがキーワードだと思います。地域コミュニティを作ることが、注目されています。ボランティア活動をしたいという人もやる場所がないという人が多いらしいですしね」
みずしま「なるほど」
井上温子「一応、地域に集会所だとかってたくさんありますよね。あそこって、決まった団体が借りるだけで、そこで他の団体や地域の方とのコミュニティーが生まれるってわけではないんですよね」
みずしま「閉鎖的なんですね」
理想の実現へ向けて
井上温子「なので、新しい人が入りづらいと思います。だから、そこで新しい繋がりを作る場としての機能をもっとたくさん作ったら人と人との繋がりのある新しい居場所が出来るのではないかと思います」
みずしま「いまは、板橋区を中心にそういった活動ということですよね?」
井上温子「そうですね。全国に広がったらいいなというのもあるんですけどね」
みずしま「最終的には?」
「はい、理想はそうですね。でも、まずは高島平から着実にやっていきたいと思っています。いきなりというよりは、身近な人たちが幸せになれるように頑張ります」
みずしま「そうなんですね」
井上温子「区議でもあるので、大山のグリーンホールや、文化会館などで高齢者のイベントや講座とかを行うのですが、財政も厳しいじゃないですか。なので、私たちの暮らしている場所が心地よくなるように自分たちで作っていくという方向にシフトしていかなければと思います。行政がなんでもやりますだと、評価は高いかもしれませんが、みんなで生きがいのある街を作って行こうという方向にシフトしたいですね」
みずしま「行政に頼ってばっかりでは、ダメですよね」
井上温子「そして若い人達もね。困っている人多いですよね。就職難だし、仕事ないし、正規雇用も少ないし。そういった人にも届けたいですめ。昔ながらのコミュニティではなく、新しいコミュニティを創造していきたいと思っています」
みずしま「一人で不安に悩んでいる人とみんなで語りあえるような場づくりですね」
井上温子「自分だけが就職できないとか、一人で抱えるとどんどん閉鎖的になりますよね。周りをみればそういった人も他にもいますし。例えば、地域の人が斡旋してくれるだとか、そういったちょっとした繋がりで楽になると思います。若い人の声を届けられるようにしたいですね」
みずしま「そうですね」
井上温子「やっぱり、若い議員が増えていかないと。単純に社会を変えたいというような素直な気持ちで、議員になってもいいと思うんですよ。だから、もっとチャレンジして欲しいです」
みずしま「そうですね。では、最後に今後の目標などありましたら」
井上温子「いま、板橋区の高島平には3つ地域の交流拠点があります。光が丘にもあるんですね。ほかのところにもいくつか産まれてはいるんですね。それで、今月には、高島平団地で地域リビングが完成します。これからより板橋区でそのようなネットワークが生まれるように加速化していきたいと思っています」
みずしま「では、より今後は活発になっていくんですね」
井上温子「はい。みんなで交流の場所を運営して行くいうようなことが、理想的なのでそれを実現させたいです。ぜひ、遊びに来て、そういう活動に興味がある、もしくは、議員になりたいという人がいたら声をかけて下さい」
みずしま「じゃあ、そういった人は井上さんとかに連絡すればいいんですね」
井上温子「はい、よろしくお願いします」
おわり
(4490字)
みずしままさゆき を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
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